2018年8月29日水曜日

夏と言えば

はじめまして。婦人科外来火曜日担当の藤井です。

まだまだ暑い日が続いていますね。婦人科医にとって夏と言えばカンジダ腟炎です。
カンジダ腟炎とは、カンジダ菌という真菌(カビ)の一種によって引き起こされる疾患で、腟の痒みやカッテージチーズ様のおりものなどの症状が現れます。
抗生物質を使用することがきっかけとなって起きることも多いのですが、カビが原因菌なのでやはり夏場は増加します。

 そんな婦人科の夏の風物詩であり、全女性の75パーセントが生涯に少なくとも一度はかかるとも言われている身近な病気なのに、意外とみなさんには知られていないようです。
ところが、欧米では “ yeast infection “ と呼ばれ、日常会話でも気軽に使う程なじみのある言葉なのです。
アメリカのテレビドラマ「デスパレートな妻たち」の中では、主婦たちがトランプをしながら、「最近誰か yeast infection になった人いる?」という会話をしている場面がありました。
残念ながら字幕は「この中で病気もちいる?」という意味不明なセリフになっていましたが。

 翻訳家が yeast infection の意味を知らないはずはないので、意味不明なセリフになってしまったのは、カンジダ腟炎の日本での知名度の低さゆえかもしれません。
誰もがかかりうるありふれた病気こそ、正しい知識を持ちたいものですね。